写真は結構古いです。
歳に不足はない筈だ。

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 ----【近況】-------
本格的に寒くなってきてどこに出かけるにも手袋が必要な昨今困ったことには、毎朝実にいろんなところから手袋が出てくる。
部屋のあちこちの隅でくたっとなってる手袋を見かけるに、いくらなんでも私はこんなにだらしなくはないぞ、犯人は自主しなさい、とおごそかに宣言する。
そもそもうちにこういうことをするのはただひとり、何にでも異常な好奇心をもつ黒猫の仕業に決まっているのである。
「でかけるときに手袋が決まった場所にないと、困るでしょう」と猫を詰めてはみても、現場を目撃されていないことは彼女もちゃんと理解しているので、「さあ何の話でしょう」という顔つきをやめない。


ソ連期に制作されたロシアの人形アニメで「ミトン」という作品がある。
共働き家庭でいつも家で一人で遊んでいる女の子が、せめて遊び相手に犬が欲しいのだけどお母さんに許してもらえない。
とうとう寂しさ余って、自分のミトンを犬として可愛がり世話するようになるという、かわいらしくも切ない作品だ。



部屋の片隅で手袋を拾い上げながら、「そういえばちょっと黒い子猫みたいだな」と脳裏をよぎったとたん、あんなに能天気で傍若無人に見えるうちの黒猫も、遊び相手が欲しくって寂しさ紛れに夜ごと手袋と遊んでいるのではないかしら、などとうっかり思ってしまい、手袋を握りしめたまま部屋の隅っこに向かって一人涙ぐむ体たらく。
さて今が奇襲のチャンスと見た目端の利く黒猫に後ろから飛び蹴りされたりなどするのだ。なんでそんなに能天気なんだ。
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